第十七幕 ゲームの終わり

夜、砂亜羅は家の外に出た。

家の目の前に広がる海へ、膝あたりまで入る。海水の冷たさが足先からゆっくりと熱を奪っていく。

「このままなんて、もう嫌なの——」

砂亜羅は一度だけ振り返ると、また少しずつ海の中へと入っていった。

剛たちのところでは、ここで砂亜羅が死んだら、砂亜羅は元の世界へ戻ることができるだろうと思っていた。

砂亜羅ちゃん……」

飛鳥が祈るように手を組む。

しかし、十分経っても砂亜羅が現れない。

「ねぇ、何で帰ってこないの?」

不安になって飛鳥が言う。

「もしかして……出てこれなかった?」

「は……はは、まさか——」

剛の言葉に敦史は苦笑いするが、すぐに青くなって立ち上がる。

砂亜羅を探そう!」

敦史が部屋のドアノブに手をかけて押す。

「あれ?」

「どうした?」

「ドアが開かない」

「え?」

「嘘だろ、ちょっと貸してみ」

敦史に代わり、剛がドアを押す。確かに開かないが、何かが扉の向こうにあるだけで、ドアが壊れているわけではなさそうだった。

力いっぱいドアを押す。すると、そこに砂亜羅が倒れていた。

「——砂亜羅ちゃん!」

飛鳥が叫んだ。敦史が廊下に倒れている砂亜羅を抱き起こす。

しかし、砂亜羅はまだ目を閉じたままで、涙をこぼしていた。

「じゃあ、ドアが開かなかったのって砂亜羅がいたから?」

「……みたいだね」

飛鳥が言うと、三人は安堵に息をついた。

日が沈み、午後七時を過ぎた頃、砂亜羅は目を覚ました。

事実を知らされて、砂亜羅は敦史にしがみつきながら泣いた。

「さてと、このゲームどうすっかな」

「どこにいるかわかんないんじゃ、どうしようもできないよね」

「とりあえず封印だな」

三人のやりとりに、まだ追いつけない砂亜羅が、遠巻きにやり取りを見つめる。

「でも、まぁその前に……」

三人が砂亜羅に視線を向ける。

「あらためて、お帰り。砂亜羅

「た、ただいま!」

砂亜羅はまたうるうると目に涙をうかべながら、笑った。

とにかく、やっと終わったのだ。